Webディレクターとして2社経験がありますが、仕事の範囲も内容も随分変わりました。
Webディレクターの仕事範囲は広いので、私はいったい何の仕事をしているんだろう、何の専門家といえるんだろう…とSEからの転職後に悩んでいました。
転職したことによってWebディレクターとはなんだということや、会社によって仕事内容が随分変わるということがわかりましたので、私の経験した事業会社と制作会社でのWebディレクターの経験について記載したいと思います。
20人規模の事業会社での仕事について
私の所属していた会社の場合は予約システムを作っており、それをお客様各社に提供していました。そのため機能のアップデートが主な仕事でした。いわゆる運用系Webディレクターだと思っています。
主に開発者が開発に集中できるようにお仕事をします。そのため外部の取引先の窓口や開発者への機能追加依頼(仕様策定)、その他運用に必要な諸々の作業が主な仕事でした。
朝はまずエラーメールのチェックから。システムでエラーが起きた場合にメールが届く仕組みになっていました。
エラーの原因は様々なので、どの画面でどんなエラーが起きたか把握できたら、その予約データを見てエラーになった原因を確認し、不具合であればそれを報告、必要に応じて機能修正のハンドリングをします。また、データ不整合があれば、適切なデータになるようケアします。
画面からの更新が無理な場合は、DBのデータをSQLで更新するなんて事もしました。(これはエンジニアにお願いしてもいいんですが、エンジニアの負荷軽減のために拾えるものは対応しました。)
それが終わると、検証の依頼があったり、外部や内部からの問い合わせ業務をパラパラと対応し、不具合が起きれば発生条件を調査して修正の方針決めとハンドリング、アクセス解析のために数値チェック、レポートの更新などの作業をします。
大体夕方くらいから機能改修の仕様書作成に取り掛かります。実はこの仕様書を書くのが一番メインの仕事なのですが、大体取り掛かれるのは残業時間という事が殆どでした。しかし、事業会社で期限がきつく決められているわけではなかったので、その面では助かりました。
また、主に社内での取りまとめなのでお客様相手ではなく融通は効きやすいです。ただし1つのシステムにじっくり関わるため、沢山のサイトを作ったりは出来ないので、サイトの新規作成などの経験は弱くなります。
3000人規模の制作会社での仕事について
仕事内容としては、Webサイト制作、アクセス解析などがメインになります。
ただ制作するだけではなく、データに基づいた成果のでるWebサイトの提案が必要になります。デジタルマーケティングというものです。
お客様に提案後、見積もりを作成して受注の流れが基本です。
事業会社の場合は自社サービスの改修がメインでしたので工数がきっちり管理されていませんでしたが、お客様相手、お金をもらっているので、工数管理をしっかりするようになりました。
こちらは流石に人が多いだけあって、分業がされていました。
エラーチェックや問い合わせ対応は運用チーム、ページの新規作成なんかは制作チームに分かれています。新規でサイトを作成したら運用チームに引き渡す流れです。
前職で残業時間にしていた仕事をメインで出来る様になりました。また、会社によると思いますが勉強に充てる時間を確保することも可能になりました。
細かな作業で時間がつぶれると、自分のレベルアップに使える時間が減りますし、私みたいに体力がないと休日は寝て休むのが一番になってしまうなど悪循環に陥ります。
ただしお客様とはほぼ初対面のため、どんな人かも分かりませんし、不信感を抱かれてしまうと次につながらなかったりとうつ病人間にとってはなかなかハードルが高めかもしれません。
必要とされるスキルは事業会社のときよりも幅広くなりやりがいは感じていました。コンサルティングから分析、企画、ハンドリングなどを学ぶ機会があるので社会人人生の早めの段階でこの環境に来たかったというのが本音です。
最後に
Webディレクターという仕事はカバーする範囲が広いです。そのため最初の会社では「私は雑用係なんだろうか…」と悩んだ時期もありました。「Webディレクター」という肩書は、尊敬するマネージャー二人に「私の仕事って何なんでしょう」と相談したときに教えてもらったものです。二人別々に相談して二人とも同じ回答をしてくれたので、そのときは自分が何者なのかわかってすごく嬉しかったことを覚えています。
同じようにWebディレクターっていったい何なんだろう、と思っている人に向けておこがましいですが私の経験談が少しでも役にたつと嬉しいです。