今回は「10年つかえるSEOの基本」という本の感想や概要を書きたいと思います。
本の印象としては全部で130ページほど、1センチくらいの厚みで、「SEO初心者の後輩」と「SEO専門家の先輩」との会話形式で進んでいきます。また絵も多いため読みやすく難しい印象は与えません。
ブラックハットSEOではなくホワイトハットSEOについて書かれており、SEOの細かな設定ではなく根本的な考え方について中心にまとめられています。
本のタイトルの「10年つかえる…」の言葉にもそれが現れているかと思います。
※ブラックハットSEOとは…ズルしてでも検索順位を上げようとするテクニック
※ホワイトハットSEOとは…ユーザー目線のサイト改善により集客力を高めるというもの
「10年つかえるSEOの基本」の概要
検索エンジンはユーザーの利便性を重要視している
検索エンジンはユーザーに対してより親切で適切な内容を提案するのがお仕事だと書かれています。SEO対策をするにあたって検索エンジンの目的を把握しておく必要があります。
検索する人の気持ちや行動を推測する方法
検索する人の気持ちを理解するための手段として、Googleアナリティクス(以下、GA)を使った分析を例にあげています。
GAで流入元を知る
100%の人が検索エンジン経由で訪問するのではなく、SNSや他サイトに張られたリンク、ブックマークなど複数の手段があります。現状を知ることでどの経路に対してどういった施策を行うとユーザーにより見てもらえそうか等、議論がしやすくなります。
GAでサイトに訪問したユーザーが使った検索キーワードを知る
どのようなキーワードでサイトに訪問しているかを知ることで予測していないキーワードからの流入が見つかったりなど発見があります。よく使われるキーワードというのはユーザーの困りごとに関連していたりするので、それに寄り添ったコンテンツ改善を検討することも出来るようになります。
ちなみにGA(ユニバーサルアナリティクス)では「集客>キャンペーン>オーガニック検索キーワード」で確認できます。「(not provided)」が多い場合は、サーチコンソールを使うことでも検索キーワードを調べることができます。
GAでコンバージョンに至ったユーザーの流入経路を知る
GAでは目標設定をしておくとどの経路から流入しコンバージョン(問い合わせ、ダウンロード、購入など)したか確認ができます。ストレートに自然検索で一回訪問してコンバージョンするケースばかりではなく、自然検索やリファラなどで何度か訪問を繰り返した後にコンバージョンに至るケースも多いと分かったりします。
そういった現状を把握できると、よりユーザーに興味を持ってもらうためにどのようにサイトを改善したらよいかという視点も得られます。
GA(ユニバーサルアナリティクス)では「コンバージョン>マルチチャネル>コンバージョン経路」で確認ができます。
世の中の人が使っている検索キーワードを探す
世の中でどのようなキーワードが多く使われているか知ることはユーザーのニーズを把握することにつながります。よく使われるキーワードは、その分困っている人が多いということです。
サイトに訪れた人が使った検索キーワードはGAで分かりますが、世の中全体でどのようなキーワードが使われているか調べるにはキーワードプランナー等があります。また、特定のキーワードと一緒に検索されている関連キーワードを調べるにはラッコキーワード等の無料ツールもつかえます。
感覚と実態はずれていたりするため、こういったツールでユーザーが使うキーワードを絞り出してコンテンツに反映させることで検索結果に出やすくなります。
検索キーワードをサイトに反映させる
世の中での検索キーワードを把握した後は、そのキーワードをサイトのコンテンツに入れます。
titleタグにキーワードを入れる、meta descriptionタグを設定する、本文のテキストにキーワードをいれるという方法です。
titleタグは検索エンジンが内容を理解するために重要なため、しっかりキーワードを入れることが大事です。
meta descriptionタグというのは、検索エンジンの検索結果一覧のタイトルの下に表示されるサイトの説明文です。こちらは検索エンジンのランキングには直接影響しないものの、サイトの概要を伝えることでユーザーの利便性を上げたり、クリックしてもらいやすくするという効果があります。
独自性があり、優れたコンテンツを作る
コンテンツは独自性があり、品質のよいものを作る必要があります。検索エンジンにはユーザーの役に立つコンテンツを提供したいという思想があるためです。
同じ検索結果で表示される他のページと比較して価値があるか、洞察にとんだ分析や興味深い情報が含まれているか、誤字脱字がないかなどもポイントになります。ユーザー目線に立ち役立つ情報がわかりやすく伝えられているかを重視すればSEO対策につながるというお話です。
リンクを集める(人気を集める)
他のサイトからリンクを集めるということは、それだけ信頼できるサイトだとみなされ検索エンジンからも高く評価されます。
昔はリンクをとにかく沢山集めるために相互リンクをしたり適当なサイトにリンクをたくさん載せて自分のサイトにリンクが集まっているように見せかける手法がありました。そのような方法をブラックハットSEOといいますが、今ではそのような不正な方法は検出される仕組みが出来ており悪い評価を受けてしまいます。
そのため、他のサイトに紹介したいと思ってもらえる優良なコンテンツ作りを目指す必要があります。
参考サイトとして紹介されたり、メディアで紹介されたり、SNSで紹介されたり等あります。
読んだ感想
最初に書いた通り、後輩と先輩の会話形式でイラストや画像も豊富で読みやすいです。また、私も最初はSEOというのは小難しいテクニックがたくさんあるものだと思っていましたが、根本的な検索エンジンの思想を理解すると自然とSEOによい結果が出るのだと理解できました。
SEOというのは技術的な話だと思われがちですが、SEOを目的としてはいけないということです。検索する人の利便性のためにSEOをするという方向性を見失わなければSEOは誰でも出来るよという内容でした。